「IT2008」(仮題)の制作過程
2008/2/17 いよいよ大作(,といってもF30号/Y91×Y73)にかかります。
今日は本当に寒かった。他に行くところはないし、寒いし、キャンバス張りに取り掛かった。
1.キャンバス張りから下地処理まで
2008/2/19
今日は久しぶりに天気が良かったので、急遽昼食時間を利用して制作りしました。(気温12度、湿度22%)
まずは、木枠を組み上げ、それをキャンバスの上におき、厳重に採寸します。
今回はキャンバスの横にも描こうとしていますので、裏で留めます。したがって木枠より6センチ大きく慎重にカットします。
とくに正バイアスに取らないと後々困りますので慎重の上にも慎重になります。
ここではT定規とアルミ製ものさしと鉛筆、カッターナイフを使いました。
回路にあたる部分を描き込んでいきます。
いろんなテープ幅を利用し、単調にならないように、また無限の可能性を意識し、画面に拡がりがあるよう細い線を塗りこんでいます。
今回はマット(不透明)のカーマインと透明のカドミウムレッドであるため、光線のあたり具合で、カーマインが浮き上がるようにみえます。
ここまでは意識したとおりに進んでいます。
2008/3/15〜3/16
天気も良かったし、しばらく進めていなかったので、この土日で仕上げようとしました。
バックにあたるグリーン系の明度調整、中央部のひび割れ、光ファイバーを意識した4本の曲線、その交差部分に筆を入れていきます。
ほぼイメージしたとおりに完成しました。(下写真はクリックすると大きくなります)
2008/2/29
さらに補色のグリーン系で形を整え、奥行きを感じるようにしました。
また中央部に中心となる基盤を描きます。
その基盤はIT社会の脆弱性を表現するためひび割れの画面にしました、
まず、基本となってるカドミウムレッドミドルをより鮮やかに見せるため、外側をカーマインを利用して明度の変化をつけます。
今回の基本色はカドミウムレッドミドルです。
赤色の持つ若々しさ、元気よさ、発展のイメージを膨らませ、何度も何度も重ね塗りします。今回は4度塗りで、イメージどおりの色が入りました。またよく乾かせます。
キャンバスを張り終えると、次は下地作成です。
今回はホワイトジェッソMで丁寧に、平滑になるようにローラーを利用しながら、2回塗りました。
次はキャンバスを釘でとめます。最初にタッカーで裏面端しに4箇所仮止めします。次に中央部に打ちます
2008/3/1
ひび割れの表現にはアクリルのクラッキングメディウムを使っています。
(一旦はブラックを使ったのですが→、
余りにも明度が違うため、途中でカーマインとブラックを混色したもので進めました。)↓
これでキャンバス張りから下地処理まで、約3時間です。
これから基本色に入ります。その前に少し"隠し味"を入れていますが、これはまだ企業秘密です。
仕上げはより平滑になるようにサンドペーパーをかけています。
ひび割れ部分の拡大
2008/2/26
今度はパソコンの基盤(マザーボード)を意識しながらレイアウトしていきます。
私の場合、微妙な角度のずれが命取りになりますので、手製の三角定規やT定規等を利用します。
(結構緊張して進めています)
ここからはべランダに移動して作業しました。
(マンションのため、下階の住人に気を使っています。
なるべく日中も11時以降で作業しています。)
キャンバスタックはステンレスを使っています。
Kを打ち終わると、先ほど仮止めしていた、タッカーの針をニッパーで取り外します。
皺にならないように気をつけながら、特に角の部分は丁寧に折り込みます。
気温8度、湿度20%でした。本当は湿度が多い日が理想なんですが、サラリーマンにはそういう日を選べません。