■ごあいさつ
年末を迎え、なにかとお忙しい中、ご来場いただき大変ありがとうございます。
”光陰矢の如し”とはよくいったもので、元陽展に出品し始めて25年が経ったところで、丁度良いタイミングで会場が取れ、初の「仲間たち展」開催の運びとなりました。
何がなんだか分からず、無我夢中で、ただただ真面目に描いてきました。そんな25年を少し振り返ってみるチャンスとなりました。
最初の5年間(1987〜1991)は漁村を中心に描いてきました。それも山陰の漁村ばかりでした。5年経った時、「でも私は農業をしたことはあるが漁業はしたことはない。ということは見たことを描いているだけで、私の『意志』は描いてない。」との想いでこのシリーズを中止しました。丁度その時、コンピュータ業界にいたこともあり、次の5年間(1992〜1996)は「ハイテク」シリーズを、次の5年間は阪神大震災もあり、コンピュータ社会の脆弱性を表現した「エマージェンシー」シリーズ、ITが日常語となってからは「IT」シリーズを描いてきました。
最近の5年間は護憲の意思を伝えたく、「9条」シリーズとしました。
「文筆家やライターは『文字』で、政治家やキャスターは『言葉』で自分の意思を表現できますが、絵描きの私は文字やことばではうまく表現できません。だから私は『絵』で自分を表現します。」
つたない技術で、意図が伝わるかどうかは分かりませんが、どうかご高覧いただき、ご指導ご鞭撻いただければ幸いです。
平成23年12月
西 村 不 可 止