第44回元陽展出品作品(F100号) 制作過程
しばらくホームページの更新を怠っておりました。理由は自分の個展の準備〜後片付けと今年の夏の異常な暑さです。
でも心機一転、気を取り直して描いたのが左の絵です。
一番左のバートは夏のイメージで、中央が原爆投下直後のイメージ、右が8月6日に行われる灯篭流しのイメージです。
カンナは赤色をはじめ黄色や朱色がありますが、今回は大州小学校に植えられている赤いカンナとしました。(2013/8/31)
実在の絵は10月30日(水)〜11月6日(水)は東京都美術館で、12月3日(火)〜8日(日)は広島県立美術館で
平成26年1月8日(水)〜13日(月)には大阪市立美術館で公開される予定です。
ご高覧をお待ち申し上げます。
1.に対してはどうしても「赤」にこだわりたかったためそのまま残した。
たが画面下部への線がないためカンナがまわりから押し込められている感じがするので、手前に枯れかかったカンナ(自身)を置いた。
3.も描き起こしたくなかったがこれも広島をイメージしてもらうためにもう少し丁寧に描くこととした。
4.灯篭は逆にインジゴでおつゆ描きし、明度を落とした。(2013/9/16)
その時の気持ちを文章にしてみました。NHK文章教室へ送付したのが「カンナの想ひ」(PDF版)です。
絵をクリックすると大きくなります。戻る時はブラウザの「戻る」を利用してください。
9月16日(日)に研修会がありました。
指摘事項
1.赤色のカンナが画面の中で浮いている。黄色の花の方が良い。
2.花の数、バランスが悪い。
3.左上の原爆ドームはもう少し描き起こす。
4.灯篭も丁寧に描く。 でした。
1. 描き始め
私の場合、テーマから描き込んでいきます。どれだけ希望のカンナにできるかです。
まず花の色から決めます。黄色いカンナ、朱色のカンナ、紅色のカンナ、黄色と橙色のブチなど。今回は先ほどの大州小学校の校庭にある「紅色のカンナ」とすることとしました。
位置も下から1/3の位置(これは原爆資料館の写真と同じ)。つまり原爆資料館写真のカンナに大州小学校のカンナをオーバーラップしたイメージで進めたいと思います。(2013/.6/9)
仮題
さらに描きなおしました
手前の枯れたカンナ、主体のカンナ、あまりにも色がかけ離れて別物の雰囲気がします。主体のカンナの葉にイエローオーカー、アンバー系の色、シェンナー系の色、ようよう全体のバランスが取れました。
それと手前の黒の部分にひっかき傷を入れました。原爆の痛みとまではいえませんが何か表現をしたかった。
下の部分の拡大図→
これで一応完成です。後は中央下部、センターのパートをマット(艶消し)、サイドを艶あり(ルツーセの二度塗りでアクセントをつけました。(2013/9/30)
2. 描き起こし
少しづつカンナを始めました。夏の暑い時に少しのかぜにも揺れる花びらはホワイトを足すのでなく、レッドを拭き取りキャンバス下地を出すようにしています。質感を大事にするようにしています。どうしてもホワイトを足すと力強くなり、レプリカのカンナになりそうだからです。
背景はローアンバー(マツダ/クイック)にチタニウムホワイトを混ぜ、超低臭ペトロール(ターナー)と超低臭速乾ペインティングオイル(ターナー)で全面に塗りました。
(一時期、溶き油にテレピンを使用していましたが、マンションに引っ越して以来、周りに対し、臭いを気にして使用していません。)
でもまだ原爆に対する怒りの色と平和を希求する色をどのように配置するかは決めていません。
エスキースではブラックとグレーで表現してみたのですが、子供たちの笑顔には程遠いものになってしまいました。(2013/6/20)